昨今、小学生の習い事として必ず人気ランキングの上位に上がるのが「英語」と「プログラミング」です。

今回はそんなプログラミング教室を運営する立場として「プログラミングを習い事としてやる時に求めてはいけないこと」をお伝えします。

この記事は「プログラミング」や「IT業界」にあまり詳しくない方向けに書いていきます。

プログラミング教室に通っても仕事ができるようにはならない

「プログラミングできること」と「プログラミングを仕事にできること」には大きな差があります。

ここがほとんどの方が間違えている点です。

たとえば学生や社会人向けのプログラミングスクールや専門学校って沢山ありますよね。

授業料は数十万から、百万単位でする教室も当たり前です。

そういう教室でも「卒業したからといってプログラマーとして就職できるとは限らない」んです。

むしろ卒業しただけではほとんどの人はプログラマーとして働けない、というか現場で仕事にならない、のが現実です。

え?学校を卒業すればプログラマーとして働けるんじゃないの?

と思われるかもしれません。

残念ながらこの分野はそんなに甘くありません。

私も17年間、WEBシステム開発の分野で働いてきた経験があるからこそ、学校で習ったことなんてほぼ使っていないと自負しています。

では学校で学ぶことよりも大切なことは何か?

それは「自分で作り、自分で調べて、自分で学び続けるという習慣」がこの業界でやっていくための最重要スキルなのです。

「プログラミング」を習うことにどこまで期待するか

「小学生がプログラミングを習う事にどこまで期待するか?」という本題です。

期待できること

  • パソコンや機械に触るのって楽しい
  • 楽しいから、僕(私)の得意分野かも、と思える
  • 本格的なプログラミング言語(※後述します)」に入るのも苦じゃなくなる

え?これだけ?と思うかもしれません。

しかし特に3番目の「本格的なプログラミング言語に入るのも苦じゃなくなる」という点はものすごく大きいです。

プログラミングの技術書を見たことはありますでしょうか?

たとえばこのような感じで、本をみただけでその分厚さに圧倒され、取り組む意欲がなくなる人も多々居ます。

でもプログラミングが好きになっていると、こういう本を見て「ワクワクする」ようになるんです。

こんな機能が作れるようになる!

これも実装できるんだ!

というワクワク感です。

もし子どもが技術書を見て「これすげー!」と目を光らせていたら、あと親ができることは惜しみなく環境を与えることです。

(環境とは、高性能なパソコンと技術書等にお金を惜しまないこと)

この流れに入ったらあとはもう、子供の学びにブースターがかかる状態ですね。

論理的思考能力を鍛えることに期待するな

一般的なプログラミング教室では、プログラミングを学ぶ事のメリットとして「論理的思考能力を鍛える」ということがよくあげられます。

たしかにプログラミングは順序立てて考えて、ものごとが正しい順番で、正しい文字で書く為の訓練ですので、そういう側面もあるかもしれません。

しかし論理的思考という意味では算数や数学の方がもっと論理的思考が求められます。

いちいちプログラミングで論理的思考が~~と期待するより、素直に算数・数学をやった方がもっと高度に論理的にものごとを考えられるようになりますよ。

小学生でできるプログラミングのレベル

先ほど、「本格的なプログラミング言語」という言葉を使いました。

何が本格的で何がそうではないのか?

明確な定義があるわけではありませんがあえて定義をするとしたら

「そのまま仕事の現場で使われているプログラミング言語かどうか」かもしれません。

例えば当教室では、マインクラフトの中だけで通じる「コマンド」という機能を使ってプログラミングを学びます。

しかし残念ながら、その「コマンド」が仕事になるかといえば、一切なりません。(当教室では働けます!)

でもそのコマンドも突き詰めていくと結構、難しいんです。

特にコマンドでゲームのルールを組み立てて自分で実装できるようになるにはかなり時間と経験が必要です。

しかしそれができる頃にはタイピングもかなり早くなっており、何よりパソコンを使って何かを作るという行為が好きになっていたり、苦ではなくなっています。

じゃあ今から実際の現場でも使われているプログラミング言語である「HTML(エイチティーエムエル)」をやってみようとする。

(HTMLとはホームページを作るためのプログラミング言語です)

HTMLは、コマンドの高度なものに比べたら簡単に学べます。

なんと、ホームページを作るのって意外と簡単だったんだ!と自信がつきます。

(昨今のHP色々と事情が違いますが、学習という意味でHTMLを例にしています)

もちろん小学生でホームページを作ることが楽しいと思えるか、という事情はありますが、小学生でもこのレベルなら十分に可能です。

実際に小学生でも一般的なプログラミング言語でゲームを作り上げてしまう子もいます。

そういった子は特殊ですが、大半の子はプログラミングという行為そのものよりも「パソコンで何かを作るのが楽しい」と思うことができるためにやる、ということが最大のポイントです。

メリット・デメリットを理解した上での費用感

ここまでの話しをまとめると、小学生でプログラミングをやる意味としては単に好きになってもらうという側面が強いということでした。

好きになれるのであれば、中学生からでも、高校生からでも、大学生になってから始めても遅くはないわけです。

繰り返しになりますが「プログラミングが好きになり、自分でどんどん調べて自分で学んでいく姿勢を作れるかがポイント」です。

であれば、小学生のうちにやるプログラミングは、本人が楽しく好きになれるものであれば何でも良いのです。

当教室のように、マイクラが好きであればマイクラを利用する。

実際に動くロボットが好きであれば、ロボット教室。

ドローンでプログラミングできるところもあったりします。

とにかく「好きで楽しい!続けたい!」と思えるかどうかだけで選んでよいのです。

つまり極端に言えば、教室に通わなくても市販のプログラミング教材が面白いと思えればそれが一番おすすめ。

LEGOとかZ会の講座とか(同じ?)今はいろいろありますね。

だって教えてくれる先生が居ないから、自分で調べて自分で学ぶしか無いから、当初の目的が達成されるわけです。

そう考えると、プログラミング教室の月謝って高くないですか?

私も子供が居る身で、プログラミング教室に通わせるのに月1万円を超えるのは高い、と感じました。

何度も言いますが所詮、小学生のうちでできるのは楽しい!と思えるかどうかが大切なので、それに月1万円を超えるのはちょっと・・・という考え方です。

もちろん、どんどん進んで本当に高度なプログラミングに小学生から入る子も沢山居ます。

そうなってから初めて月1万円を超える費用が妥当なのではないかと思うのです。

最後は習い事から外れて金額まで言及しましたが、

「これまでどんな習い事をやっても楽しくないの一点張りだったけど、唯一マイクラだけやる気になってくれた!!」

という声も頂きます。

当教室ではなく、マイクラの力ですね。

でもいいんです、子供たちが「パソコン楽しいじゃん!プログラミング楽しいじゃん!」と思ってくれれば!

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